ロードバイクの科学

いい本です。星5つ。

かけてよいトルク

どこまで無酸素的にパワーをかけてよいのか?

以上の様に、坂はテクニックの見せ所なのですが、読者がもしバイクに恒常的に乗り初めて1年以内なら、登り坂は手加減しましょう。筋力は三ヶ月くらいですぐ強くなりますが、筋肉と骨を結ぶ腱には血管が少ないためすくには強くならないので、故障がでる可能性があるためです。経験的には乗り始めて1年くらいは、ギアをなるべく軽くして我慢していたほうが良いと思います。

というわけで、ケイデンスを高く保つ意味はここにあるといえる。

消費カロリー

ブラケットを握ったポジションで距離150Kmを時速25Kmで巡行するとします。わたしの場合起伏のある通勤路での実測によると、必要パワーは100Wです。

6時間かかるので21600秒、必要エネルギーEはE=1100x21600=2160(KJ) -> 516Kcal

人間のエネルギー効率は25%として、必要な食物のカロリーCは

C = 516/.25 = 2064(Kcal)

さらに黙っていてもお腹は減るので、基礎代謝が一日2400Kcal、寝ているときは起きているときの代謝の2/3とすれば、起きているときは1時間に113Kcal消費します。その分も考えれば6時間で

C = 2064+113x6 = 2743(Kcal)

が必要になります。ダイエットはしないとして、使った分を食べるとすると、コンビニの80grオニギリ1個が160Kcalですから6時間で17個分。朝食を食べているならその分を引きます。オニギリの場合、消化に必要な時間は30分だから、これを見越してちょっと多めですが空腹を感じる30分前に1.5個、以降30分おきに1.5個づつ食べつづける計算になります。もし食べる前に空腹を感じたらもう間に合いません。

まあ、飲物もカロリーがあるし、吸収は速い。砂糖なら15分とかだろうし(糖尿病の食事療法で教えるクッキーの食べかたは、1枚につき15分の間隔をあけること)、ブドウ糖なら即吸収される。また、ダイエットする場合でもこの半分のカロリーは摂らないといけない。なぜなら脂肪を分解してブドウ糖が生成されることは無いのと、この運動強度だとカロリーの半分は糖分から供給されるからだ。
あと、体内のグリコーゲンを消費するとそれを再補充するには時間がかかる(2〜3日)ので、そのような状況を作らないことは継続的にトレーニングするためには必須。そして有酸素運動は週に3回以上継続してやる必要がある。